「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第4話~」

そして翌日。カズちゃんはメールで、騙してしまったお詫びがしたいから食事をご馳走させてくれと提案してきた。

まあ、タダで飯が食えるならと二つ返事で了承した。カズちゃんは案外いい奴なんだと思った。何故か仕事中もカズちゃんの事が頭を離れない。

「そういえばカズちゃんはどんな仕事をしているんだろうな。まあ、あまり稼いでそうには見えなかったな・・・」

仕事を終えた瞬間にカズちゃんから電話がかかってきた。
「あなた、仕事終わったかしら?今から居酒屋に行きましょう。あたしが奢るからさ。昨日の喫茶店の隣の居酒屋さんで待ち合わせね!」

「おう、どんぴしゃで今仕事終わって帰るところだった。今から向かうわ」

そして、カズちゃんと居酒屋で合流した。やはり、女装をしてないカズちゃんは普通のおっさんだ。恐らく俺より年上だろう。

「なあ、カズちゃん、カズちゃんって仕事は何してるん?俺は小さな会社の係長だよ」

「係長さんなのね。私はまあ、自営で細々と生活してるわ」

「自営?カズちゃんすげえじゃん。俺も雇ってくれよ」

「まあ、大したことはないわよ。生きてくのも精一杯なんだから」

カズちゃんは髪も薄いし、顔も老けている。昨日ナンパした美女がカズちゃんだなんて未だに信じられない。