「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第11話~」

カズちゃんの会社に入社して1ヶ月。
カズちゃんは社会では厳しい社長だった。オネエ言葉は使わないし、プライベートのように高い声は出さないし。

28にしては老けてるとは思っていたが、社長として激務をこなしているうちに顔がやつれてしまったのでは無いかと少し思った。

「北村さん、いいかな?社長室へ来るように」

ある日、社内でカズちゃんに社長室に呼ばれた。社長室は結構豪華な造りだった。

「社長、あの・・・」

「堅苦しいの抜き抜き!社長室は防音だから大丈夫!いつも通りカズちゃんって呼んでね!ねえ、研修兼ねて例のラビリンスに私と一緒に行かない?福利厚生じゃないけど、あたしのポケットマネーでお代は払ってあげるからさ!」

「いや、いいや。金は自分で払うからカズちゃんもついてきてよ。にしてもIT企業の研修が何故女装なのよ・・・」

カズちゃんも俺もスーツ姿のまま女装サロンのラビリンスへ向かった。