「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第42話~」

「天使さん、それは違うわよ。確かに私といるときはたくちゃんはいい表情をしているけど・・・

俺もカズちゃんといるときの方がいい表情をしてるの?それは非常に気持ちの悪い事実だ。今度からカズちゃんといるときは仏頂面を意識しよう。なんて下らない事をワインを飲みながら考える俺。

「ほら、和子さんもそう思ってるんじゃない」

「待って。天使さん。しっかり聞いてね。ラビリンスのいづみさんはメイクもお写真の技術も最高でしょう?でもね、そんないづみさんでも捕らえきれない『最高の表情を捕らえる事』が出来るのって恋人だと思うの。

スマホでもいいからお互いの写真を撮ってごらんなさい。あくまで私の持論なのですが、本当にいい表情をカメラで撮影できるのは技術が最高なカメラマンではなく、恋人だと思うの」

そんな言葉を聞いて俺はポケットからスマホを取り出して、ささっと天使の顔を撮影した。

天使はびっくりしたような表情と、恥ずかしげな表情が混ざったような顔をしていたけれど、何故か見とれてしまう魅力を持っている顔だった。なんだかますます好きになってしまった。