文化祭当日、拓也は不安と緊張の中、女装姿でステージに立った。沙織は客席から大きな声援を送る。

「がんばれ、お兄ちゃん!」

演劇は無事に成功し、観客から大きな拍手を受けた。終演後、沙織が控え室に駆け込んできた。

「お兄ちゃん、最高だったよ!本当にありがとう!」

拓也は少し照れながらも、沙織の笑顔に救われた。

「お前の無茶ぶりには参ったけど…まあ、楽しめたよ。」

「でしょ?お兄ちゃんって、やればできるんだもん!」

その夜、二人はリビングで一緒に文化祭の写真を見返した。

「沙織、俺たち、兄妹だけどさ…こうして一緒に何かできるの、嬉しいな。」

「うん。これからも、一緒にいろんなことやろうね、お兄ちゃん。