「凛さん……どうして急に?」
「ちゃんと話したくて来たの。」
凛は真剣な表情で言った。2人は部屋の中で向かい合い、少しの沈黙が流れた。
「昨日のこと、まだ気にしてるよね?」
凛の問いに、優は少し目を伏せた。
「気にしてないって言えば嘘になるかも。でも、凛さんが悪いわけじゃないのはわかってる。僕が勝手に寂しくなってただけだから……。」
その言葉に、凛は優の手をぎゅっと握った。
「寂しい思いをさせてしまったのなら、私がもっと気を付けるべきだった。本当にごめんね。」
凛の真摯な言葉に、優の胸の中にあったモヤモヤが少しずつ溶けていくのを感じた。
「僕も、自分の気持ちをちゃんと言えなくてごめんなさい。」
「これからは、どんな些細なことでもお互いに話そう。それが私たちの約束ね。」
「うん、約束する。」
優と凛は握り合った手を強く結び直した。その瞬間、2人の間にあった溝が消え去り、さらに絆が深まったように感じた。