1年が経とうとしていたある日、優は凛を再び温泉旅行に誘った。今回の旅行には、もう一つの大きな目的があった。

旅館の部屋で夕食を終えた後、優は緊張した様子で凛を呼び止めた。

「凛さん、ちょっと聞いてほしいことがあるんだ。」

「どうしたの?」

凛が不思議そうに振り返ると、優は小さな箱を取り出した。

「僕と結婚してください。」

その瞬間、凛の目が大きく見開かれた。

「えっ……優くん、本気?」

「うん。本気だよ。凛さんと過ごした時間の全てが、僕にとって宝物なんだ。これからもずっと一緒にいたい。」

凛の目には涙が浮かび、やがて優の手をぎゅっと握った。

「もちろん、よろしくお願いします。」

2人の間に、言葉では言い尽くせないほどの幸せな空気が満ちた。