女装サロンが成長を続ける中で、ある新たな問題が浮上した。それは、サロンの名前が広まることで、一部の悪質な客層が出現したことだった。中には、女装をあくまで娯楽として楽しむだけの人々もいたのだ。

「最近、参加者の中に無理に女性らしさを押し付けるような人が増えてきた。」スタッフが不安げに報告してきた。「女装サロン本来の目的を理解していないような態度の人も見受けられます。」

悠斗はその話を聞いて、心の中で何かが引っかかるのを感じた。女装サロンは、自由に自分を表現できる場所であるべきだ。しかし、その自由が他の参加者に対して不快感を与えてしまうことは避けなければならない。

「どうすれば、この問題を解決できるのか…。」悠斗は悩んだ。

美絵は冷静に言った。「問題が起きるのは避けられない。だけど、それをどう対処するかが重要よ。私たちは、女装サロンの目的をしっかり伝えて、参加者がその意義を理解できるようにしないと。」

悠斗はその言葉を受けて、サロン内でのルールや方針を再度見直すことを決心した。参加者一人一人が自分を大切にし、他者を尊重する場所としての価値を守り続けるためには、もう一度その理念を全員に浸透させる必要があった。