その日、女装サロンラビリンスのオーナーである麗(れい)さんが俺に提案をしてきた。
「翔太さん、美咲さんから話を聞きました。外に出るというのは素晴らしい挑戦ですね。」
「でも、どうすればいいんですか?正直、怖いです。」
麗さんは微笑んだ。
「最初は誰でも怖いものです。ですが、女装サロンラビリンスで培った自分への自信を信じてください。まずは小さなイベントに参加してみてはどうですか?」
麗さんが提案してくれたのは、ラビリンスが主催する「女装ファッションショー」だった。これは、ラビリンスの顧客たちが日々磨いてきた技術を披露する場で、観客も身内が中心だという。
「それなら…なんとかできるかもしれません。」
不安はあったが、俺は参加を決意した。