次のイベントの日がやってきた。サロン全体が華やかな装飾に彩られ、参加者たちは思い思いの衣装をまとっていた。涼、奏、葵の三人もそれぞれのドレスを着て会場に現れたが、その表情はどこか緊張に満ちていた。

奏が涼に寄り添いながら楽しそうに話しているのを見て、葵は意を決して二人に近づいた。

「奏、少し話せるかな?」

突然の申し出に、奏は驚きながらも頷いた。そして、葵は真っ直ぐな目で彼女を見つめた。

「僕は、涼のことが好きなんだ。だけど、君も涼に特別な想いを抱いていることはわかってる。」

奏は一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻し、静かに答えた。

「そうなの。私は涼のことが大好き。だから、あなたが涼に気持ちを伝えたことも、正直少し怖い。でも、私は譲るつもりはないわ。」

葵は奏の強い意志を感じ取り、微笑んだ。

「僕も譲れない。でも、涼がどう思っているかが一番大事だと思う。」

その言葉に、奏も頷いた。そして、二人は涼の元に戻り、真剣な表情でこう言った。

「涼、君の気持ちを聞かせてほしい。僕たちはお互いに君を大切に思っている。でも、最終的に選ぶのは君なんだ。」

涼は二人の言葉に戸惑いながらも、これ以上曖昧な態度を続けることはできないと覚悟を決めた。