「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第24話~」

俺は緊張しながら男装をする女性の到着を待った。うん、結構緊張している。俺ってここまで緊張しいだっけ?

「あ、例のお客さん来たみたいだわ。ちょっと待っててね」

奥の部屋からこっそり玄関先を覗いた。
やはり。間違いない。あの男装さんは俺の元カノの天使美喜(あまつか みき)だ。

中学ではてんしちゃんって呼ばれてかなりの人気者だった。ミキティとも呼ばれてたっけ。

まさかこんなところで天使に会えるなんて。
あれから20年だ。正直この20年間はあまりいい思い出がなかった。でも、唯一俺を輝かせてくれたのは天使だ。

男装メイクをしている間、俺はじっくり別室で待っていた。
あいつは俺の事覚えているかな?まあいいや。覚えていなくたっていい。
あの男装さんが天使じゃなくたっていい。あの時の事を思い出させてくれただけで、感謝感謝。

そういえばカズちゃんは今ごろ何をしているんだろう。ここにも来ないってことはよほど忙しいに違いない。