「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第25話~」

「お待たせー。拓海さん、こちらの女装子さんが美喜さんよ」

た、拓海さん?それ、俺の名前だし。俺は美喜を名乗ってるが、美喜はこいつの名前だし。ああ、何だか混乱してきた。

「あれ、もしかして北村くん?!私、同じ中学だった天使美喜だけど覚えてる?」

やっぱり天使だ。天使美喜だったのか。というか覚えていてくれたんだ。というか女装姿の俺を見てよく気がついたな。

「あの、昔一応付き合ってたんだよな?俺ら」

内心興奮はしているけれど、何を喋ったらいいのか分からない。

「うん。私の方から振っちゃったんだよね」

「俺がいけないんだよ。お前は人気者だったし、あの頃の俺にはまだ異性と付き合う資格なんてなかったんだ」

「違うの。あの時は受験勉強に専念したくて、お別れをしようと思ったの。でも、それだと言い訳に聞こえちゃいそうで・・・」

そんな会話をしているときだった。

「たくちゃんいるのー?来ちゃったわよー!」

・・・は?何でカズちゃん来てるの?しかも、何故このタイミング。ややこしいことになりそうだ。

「じゃあ、私は和子さんのメイクをして来ますね。拓海さんと美喜さんはゆっくりしててください」

そう言えば。何故天使は俺の名前を使っているんだろうか。人の事は言えないが。