「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第41話~」

それから1週間後。カズちゃんと天使と俺の3人で居酒屋に飲みに行った。
「たくちゃんごめんね。子供も妻もいることを隠してて」

「そんなことはどうでもいいんだよ。それより本当に天使と結婚してるのかと思ってマジでびびったんだけど!」

「私もビックリしたわよぉ。だってたくちゃんがすごい剣幕で怒るんですもの!たくちゃんを居酒屋から出て追いかけようとしたら、食い逃げと間違えられて大変だったんだから!」

カズちゃんパワーだろうか。カズちゃんがいるときの方が天使は明らかにいい表情をしている。カズちゃんがそばにいれば、どんなに下手くそなカメラマンでも天使のいい表情を撮影することができるだろう。

俺はカズちゃん以上に天使の笑顔を引き出せるだろうか。でも、それが出来ないならば結婚する資格も、付き合う資格もないだろう。ビールをイッキ飲みしながらそう考えた俺。

「はあ、やっぱり北村くんは私よりも和子さんが好きなのね」

「は?そんなわけないだろ?」

「だって、私を見つめる時の表情よりも和子さんを見つめる時の表情の方が輝いているんですもの」

え?何それ?どういうことなんだろうか?