「失礼します」
そこはオシャレなバーがありそうな建物の二階にあった。 「ようこそ、お待ちしておりました。どうぞお入りください。今日が初めてよね? じゃあまず

この質問用紙書いていってね」

薄いピンク色をした壁が部屋を囲っていたが、部屋には何も仕切るものがなかった。そこには

見渡す限り女の子になるための材料が揃っていた。例えば左側にはハンガーラックに掛けられて

いる洋服が、誰かに着てもらうのを期待しながら佇んでいる。

「どう、広いでしょ? ここにあるものからあなたが気に入るものを自由に選んでいいんだか らねぇ」
「これだけあると迷っちゃいますね」