僕は書き終わった質問用紙を彼女に手渡した。彼女がそれを見ながらふむふむと頷く。

「へぇー、女子会に参加したいんだねぇ。あなたかわいい顔してるから、女装したらきっといい

感じになると思うわ」

「なんか照れます」

「そうそれ! その仕草! そのまま髪を後ろに引っ掛けてみて。そう、そうよ、いいセンスし

てるじゃない」

その後、衣装選びやメイクをしてもらった。そうして、自分の好みを伝えながらだんだん女の子 の姿になっていき、1時間くらいで完成した。

最初、鏡の中を覗いたとき、ハッとしてしまった。あれ、誰だろう。まるで自分じゃないみた い̶̶。そして元の自分の顔とは見分けがつかないくらい別人になっている顔が鏡に映る。人間っ てここまで変身できるのか̶̶しばらく陶然としていた。なんといってもその可愛さに見惚れて いた。「わぁ……」と鏡の中の自分に向かって感嘆の声を漏らす。 「自信持っていいからね。その可愛さがあれば大丈夫よ!」