「小学校最後の試合なの。他のメンバーの子も棄権だとがっかりするしさ、ほら、あんた泉ちゃんに似てる
でしょ!」
違うよ!泉ちゃん何度か家に遊びに来た時見たけど、あの子が男の子みたいだからだろ!その時、
「奥さん…」
部屋の入り口の襖の陰から泉ちゃんママが顔を出して、僕に会釈する。
「お願い出来ないかしら?」
「だって、明日女になれって事でしょ」
「お礼に遊戯王のカード五ケース買って上げるから。好きでしょ?」
その言葉に僕は迷う。一日女の子のふりして五〇〇枚のカード貰うか、それとも…
「だってバレーボールの試合でしょ?僕姉貴の相手はよくしたけど」
「大丈夫、あんたなら女子に混じっても水準以上だから」
「本当にばれない?」
「大丈夫よ、泉ママがそう言ってるんだから」
遊戯王カード五〇〇枚…、レア一枚か二枚入ってるかも…。姉貴と母親に口説かれ、僕は暫く考えた後、首を縦に振った。