「なんだよ!ノックもせずに!」
僕がそう言って抗議するけど、母親は僕の顔をじっと見据えたまま言った。
「薫、あんた明日バレーボールの試合に出てちょうだい!」
「え?明日?姉貴の試合だろ?」
いぶかしがる僕に姉貴が言った。
「泉ちゃんが足捻挫したの」
「だからって何」
「明日、泉ちゃんの替わりに試合に出て!」
一瞬訳わかんなかった僕。
「だって、明日女子の試合だろ?」
「だから!女子で試合に出て!」
「は?何言ってんだよ姉貴!」
横の母親も援護射撃。