「何か有ったの?」
「う、うん、初戦の相手だげさ…ブルーラビッツだって」
「え?どうして?」
「あのチームっていつもシードで2回戦からじゃ…」
「いつもベスト8まで行くチームでしょ?」
驚いた様子の僕達だけど一人が話し始める。
「今年の春さ、あいつら2回戦で敗退したじゃん。初めて大会出て準優勝したあのキャンディーアンドクッ
キーズって変な名前のチームにさ。だから規則で今年シード逃して、また運悪くうちのチームが初戦…」
聞いていた女の子達からも、
「みんな頑張って練習したのにさー…」
落胆と悔し紛れの声が出る。
目の前のコートではそのブルーラビッツの練習が始まっていた。補欠の選手まで出て試合形式でやるそれ
は、僕が小学校の体育の授業で男子でバレーボールする試合の様子とあんまり変わらない。
「とにかく、悔いの無い様にやろう!中学行ったらジュニアチームでまたバレーボール出来るし!」
ママの一人が勇気付けてくれるけど、皆の返事は暗かった。