「なんで薫、じゃなくて泉が狙われるの?」
荒い息をしながらつかの間の休憩の時間、姉貴がタオルで汗を拭きながら独り言みたいに言う。とその
時、
「まさか…あいつら…」
姉貴が独り言みたいに呟いたその時、最終戦開始のホイッスルが鳴った。
試合が始まるも僕はもう疲れて他の女の子と同等の力しか出なかった。レシーブはミスる。アタックは簡
単に受け止められる。僕の横に強烈な相手のアタックボールが飛んでくる。それをカバーしようとする他の
女の子達ももうへとへと。
そして、
「Bコート、一回戦第三試合、二十一対十三でブルーラビッツ。二回戦進出です」
場内アナウンスに相手チームのコートはまるで強豪チームに勝った時の様な歓声。でも、
「今回は相手チームの弱点が速めに見つかっただけ運が良かったと思いなさい」
あの監督らしきおばさんの意味ありげな言葉が聞こえた。
コート横に陣取っていた僕のお母さんとママ達は、全員疲れきって近寄って着た僕達を、
「よくやった!よくやった!」