涼は決意を胸に、女性としての人生を受け入れることを選んだ。

葵とは仕事上のパートナーとしてお互いを支え合い、リサとはアートイベントで協力して多くの人を魅了した。千春の夢を応援しながら、彼女のカフェが繁盛する手助けをすることも。薫とはときどき会っては、自分の道を見失わないようにアドバイスをもらった。

そして、涼は女性としての新たな名前を「玲奈(れいな)」と名乗り、独立した生き方をスタートさせた。職場では彼女ならではの視点が評価され、新しい友人や恋人もできた。

何よりも、玲奈として生きる日々は以前の人生にはなかった「色彩」に満ちていた。初めて着たドレスの感触、友人たちと語り合う楽しさ、恋愛のときめき。そして、一人の人間として何かを成し遂げる達成感。