旅行を終えた翌日、優は久しぶりに仕事に戻った。デスクに向かいながらも、旅行中の凛の笑顔や温泉街で過ごした時間を思い出し、自然と口元が緩む。

「なんか、いいことでもあった?」

同僚の三浦が冗談めかして声をかけてきた。

「えっ、いや、特に何も……。」

「あっ、わかった!恋人と旅行とか?」

「そ、そんなわけないだろ!」

優は慌てて否定するが、顔が赤くなっているのを隠せない。その様子を見て、三浦はさらにからかうような笑顔を浮かべた。

「なんだ、図星か。羨ましいなぁ。」

その夜、凛から電話がかかってきた。

「お疲れさま、優くん。仕事はどうだった?」

「普通かな。でも、ちょっとだけ褒められたかも。」

「いいじゃない!旅行でリフレッシュできたおかげかもね。」

「そうかも……凛さんのおかげだよ。」

優が素直にそう言うと、電話越しの凛の声が少し弾んだ。

「私も、優くんと一緒だと毎日が楽しいよ。」

2人は他愛もない会話を続けながら、次の週末の予定を話し合った。