ある日、沙織が突然こんな提案をしてきた。
「文化祭で『優花』として参加してみない?」
「えっ!?学校で女装するの?」
沙織は微笑みながら頷いた。
「どうせ文化祭なら、みんなの前で少し冒険してみるのもいいと思うの。」
僕は最初、その提案に戸惑った。しかし、心のどこかで「試してみたい」という気持ちもあった。これまで家の中でしか見せられなかった自分を、外の世界に出す勇気を持ちたいと思ったのだ。
文化祭の日、僕は沙織のアドバイスを受けてメイクをし、選んだスカートとブラウスを身にまとった。クラスメイトは最初驚いたが、すぐに「すごく似合ってる!」と褒めてくれた。
「優花ちゃん、可愛い!」
そんな声を聞いたとき、僕は少しだけ自信が持てた。