文化祭に訪れた父は、僕の女装姿を見て驚いていた。しかし、その表情には以前のような拒絶感はなかった。

「沙織に言われて見に来たんだが……意外と様になってるな。」

その一言に、僕は胸が熱くなった。文化祭の帰り道、父は少し恥ずかしそうに話しかけてきた。

「お前があれだけ堂々としてるとは思わなかった。俺も少し見習わないとな。」

父の変化はゆっくりではあったが、確かに感じられた。