悠斗はサロンに来る他の男性客たちと話す機会を持つようになった。彼らはみな、女装を通じて自分を解放したり、自信を取り戻したりしていた。悠斗は彼らの姿に感銘を受け、自分自身の価値を見出すために動き始めた。

「僕は僕だ。誰に何を言われても。」

ある日、悠斗は美絵に対して初めて反論した。「僕を利用するのはやめてくれ。僕は自分で生きる。」その言葉に、美絵は驚きと苛立ちを露わにしたが、悠斗の決意を見て黙り込んだ。

その後、悠斗は女装サロンを出て、街中の新しいコミュニティで自分の道を見つけ始めた。美絵との確執も少しずつ薄れ、互いに距離を保ちながらも、必要以上の干渉はなくなった。

「女装をさせられて嫌だったけど、今の僕がいるのはあの経験のおかげかもしれない。」

悠斗は鏡に映る自分を見つめながら、微笑んだ。その目には確かな自信が宿っていた。