私の名は瀬川光樹。ごく普通の会社員だと思っていたが、その日を境に私の世界は一変した。ある夜、同僚に誘われたバーで一人の女性に出会った。彼女はその場の誰よりも威圧感を放ち、美しく、そしてどこか妖艶だった。彼女の名は沙羅、職業は「女王様」。興味本位で近づいた私に彼女はこう言ったのだ。

「あなた、女装サロンラビリンスに行きなさい。」

彼女の低く響く声と鋭い眼差しが、私の心を貫いた。その瞬間、断る選択肢はなかった。

翌日、沙羅から送られてきたメールには、女装サロンラビリンスの詳細な住所と予約の仕方が記されていた。渋谷の雑居ビルの中、謎めいた場所だった。どうしても断る勇気が湧かず、私は予約を取り、指定された時間にその場所を訪れることにした。

エレベーターを降りると、目の前にはゴシック調の扉。扉には金色のプレートで「女装サロンラビリンス」と書かれていた。

「いらっしゃいませ。」

扉を開けると、妖精のように美しいスタッフが微笑んで迎えた。スタッフたちはすべて中性的な装いで、その場の空気に圧倒される。

「瀬川様ですね?本日は特別なプランをご用意しております。」

案内された部屋は豪華な装飾に彩られていた。壁には無数の鏡が並び、まるで自分が迷宮に迷い込んだかのような錯覚を覚える。