涼たちは、美月の言葉を受けて、新たな戦略を練り始めた。女装サロンラビリンスがより多くの人々に愛されるために、これまでのように地域のイベントを開催するだけでは不十分だと感じていたからだ。
「商業的に成功するためには、もっと幅広いターゲット層に向けて広告を出すべきだし、SNSなどを駆使して認知度を上げていくべきね。」奏が提案した。
「それに加えて、もっと洗練されたブランドイメージを作り上げることも大事よ。高級感を出すとか、特別感を演出することが大切かも。」葵も加わって言った。
涼は二人の意見を考慮しながら、「でも、それだけじゃダメだと思う。女装が持つ深い意味や、私たちが伝えたいメッセージも含めて、サロンのブランドを作り上げていかなきゃ。」
三人は、それぞれが持ち寄ったアイデアを元に、より強いコンセプトを作り上げるために何度もディスカッションを繰り返した。そして、ついに新たな方向性が見えてきた。それは、ただの「女装」ではなく、「女装を通じて自分を再発見する」という深いテーマを持つものだった。