その後、涼たちはマーケティング戦略を本格的にスタートさせた。SNSでの発信や、プロフェッショナルな撮影を取り入れた広告の展開が始まり、サロンラビリンスの名は徐々に広まりつつあった。しかし、思った以上に壁は高く、競合が激しく、思うように売上が伸びなかった。
「こんなに大変だとは思わなかった。」葵がしみじみと話す。
「でも、これは必要な道のりだよ。もっと強くなるためには、耐える時期もあるってことだね。」涼は、少し疲れた表情で言った。
奏は心配そうに二人を見つめながら、「私たち、乗り越えられるわよね?」
「もちろん。」涼が力強く言った。「このサロンは、私たちの手で必ず成功させる。」