鏡には、かつての自分の姿が映し出されていた。自信がなく、周囲に流されていた頃の自分。影の女装サロンで向き合った恐れや不安。そして、女装サロンラビリンスで多くの挑戦者を導き、成長してきた自分。
涼は鏡越しの自分に向かって問いかけた。
「なぜ私はこんなに迷ってきたのだろう?なぜ、ここに来る必要があったの?」
その問いに、もう一人の涼が答えた。
「それは、迷うこと自体があなたの力だから。迷い、立ち止まり、そして再び歩き出す。その繰り返しが、あなたをここまで導いたのよ。」
涼はその言葉に、胸の奥から何かが解き放たれるような感覚を覚えた。