沙羅様の声が後ろから聞こえた。

「涼、ここは『真実の迷宮』。女装サロンラビリンスに訪れた全ての者が、最終的にたどり着く場所です。この空間では、自分自身の本質と向き合い、真の姿を見つけることができるの。」

涼は目の前の「もう一人の涼」に向き合いながら、静かに問いかけた。

「私の真の姿…それは何ですか?」

もう一人の涼は微笑みながら答えた。

「それを見つけるのは、あなた自身。私はただ、あなたが隠してきたものを映し出す鏡に過ぎない。」

その瞬間、周囲の鏡が一斉に動き出し、涼の過去や現在、そして未来の可能性を映し出した。