「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第28話~」

「なあ、俺がいること忘れてないか?」

「忘れてないわよお。あたし、ひとときもたくちゃんを忘れたことないわ!それよりたくちゃん、女装してるんだからもっと女らしくしなさい!せっかく綺麗なのにぃ」

「本当に。北村くんいっそ女性になっちゃえば?」

不思議な感覚だな。こうして天使やカズちゃんと3人で話をしていると幼い時に友と語り合った事を思い出す。
でも、カズちゃんには人を引き付ける能力があるのだなと思った。天使も俺もいづみさんも自然と笑顔になっているし。

でも、カズちゃんの素性を俺はまだあまり知らない。ん、まてよ。カズちゃんはこれでもかなりの有名人だ。
Wikipediaにも掲載されているのではないだろうか?

大体1000億円企業の社長が「自営で細々と」「コンビニの揚げ物がごちそう」だなんてそれは謙遜でも何でもない。ただの嘘つきだ。

女装メイクをしてもらって盛り上がるカズちゃんを尻目に俺はスマホの検索サイトで「柏木和夫   Wikipedia」で検索してみた。お、出てきた出てきた。