女子会当日、我々二人は麻布にある高級そうなレストランに着いた。他のメンバーには姉が先 に行ってるということと、友達を一人連れてくるということを伝えたらしい。

お店に入り、姉が予約の旨を伝え、案内された部屋に入る。中央の六人掛けのテーブルがライ トに照らされている。席に着いた僕は緊張してきた。
「私、うまくやれるかな?」 「その言い方なんか変な感じだなぁ……。でも私たち友達っていう体だから、なんか困ったこと があったら私がフォローするから大丈夫だよ」

「ありがとう」

「私はいつもの感じているから。って言っても知らないと思うけど」

さらに緊張してきた。そろそろ他のメンバーも来る頃だ。そのとき、お店の扉が開く音がした。 来た。とうとう来てしまった。彼女たちの廊下を歩く音が、衣擦れの音とともに僕の耳に届く。 それと同時に僕の胸の高鳴りはより一層強くなる。足音が止み、ガラス戸の向こう側にうっすら とシルエットが現れた。

「おじゃましまーす」 間延びした声とともにガラス戸が開けられる。僕はさりげなく入り口の方を見る。ぞろぞろと姉 の友達と思しき人が入ってくる。
「ごめーん、待ったー?」
「ううん、私たちもさっき来たとこ」