「はい」
来る途中で女の子達とわいわい喋ったせいなのか、普通に裏声で女の子の声で返事が出来た。
「はい、ではBコートで十分間の調整行ってください」
女の子だからなのか、赤で番号とチーム名が書かれたゼッケンを渡され審判の人達の声にバラバラとコー
トに向かい、ボールの弾み具合とかコートの広さとかネットの高さとかを確認して、軽くアタックとトスと
レシーブの練習。と、その間にちょっとしたハプニングが起こる。
「お呼びしまーす。British Peachesの2番の方、審判席に来てください」
最初わからなかったけど、姉貴が僕の方へ来て背中を突く。そこで初めて僕が呼ばれた事に気づいた。横
で控えてるお母さん達もなんだかそわそわしている様子。
「2番の、そう、あなた、ちょっと来てくれる?」
再度マイクで呼ばれた事に僕は何かばれたかと足ががくがく。
「何か変な事とかした?」
そんな姉貴の言葉に首を横に振る僕。とにかく姉貴に付いてもらっておっかなびっくりでネット脇の審判
席の前へ。