大学生活が始まり、僕は新しい環境に足を踏み入れた。入学式の日、周りを見回しても、全く知らない顔ばかり。沙織の支えを受けて自分を少しずつ受け入れることができたとはいえ、新しい人間関係を築くことに不安を覚えた。

「ここではどう振る舞えばいいんだろう……」

そんな思いが頭をよぎる中、最初の授業が始まった。

授業の後、隣の席に座っていた女性が話しかけてきた。

「こんにちは、あなたもこの授業初めて?」

彼女は明るい笑顔を浮かべたショートカットの女性で、名前を美咲と言った。

「う、うん、そうだよ。」

僕は緊張して答えたが、美咲は気さくに話を続けてくれた。

「なんかちょっと緊張してる?私も最初は戸惑ったけど、大丈夫だよ。友達になろう!」

その一言に、僕は少し安心した。