「サロンラビリンスは温かい居場所だと確信しています。でも、その温かさが時代に合わなくなってしまうかもしれない不安があるんです。」

ある夜、涼は葵と奏に心の内を明かした。麗香が放った「時代はスピードとインパクトを求めている」という言葉が、頭を離れなかったのだ。

「たしかに、外見やインパクトも大切だよね。でも、ラビリンスが築いてきたものを捨てる必要はないと思う。」葵はそう言いながら微笑んだ。

「じゃあ、その両方をうまく取り入れる方法を考えてみる?」奏が提案した。「例えば、私たちの温かさを残しながらも、もっと大胆でインパクトのあるイベントを作るとか。」

涼は頷き、深く考え込んだ。「麗香さんと競うだけじゃなくて、彼女たちのやり方から学べることもあるかもしれないね。」