「はい! ありがとうございます! 女子会行ってきます!」

僕には女友達がいなかった。女子会に参加するにあたって、一体どうやって女子に接近できる

かと考えた結果、お姉ちゃんに頼ることにした。女装の予約をした後に、お姉ちゃんたちの女子

会に参加したいという要望を電話で話した。そして、「はぁー! あんたが女装するの? でも

どんな格好するのか気になるからいいよ。で、どうするの私たちの関係は。姉と弟の関係で行く

の? それとも赤の他人としていくわけ?」と、妙に浮かれた声音で乗ってきた。だが、ひとま

ず安心した。僕は弟として振る舞うとみんなに見くびられる可能性があったので、お姉ちゃんと

は赤の他人、というか職場の友達という設定でついていくことにした。自らハードルを上げてお

く。これが吉と出るか凶と出るか̶̶。