それからが大変だったの。お父さんお母さんお姉ちゃんにいろいろ聞かれたり泣かれたりして。そして何
度も医者に連れて行かれて、薬を飲まされたり、注射されたり。でもそれは僕の体を女の子にする為だって
わかりました。
僕の体力とか運動能力は少しずつ衰えていったけど、その反面僕は自分でもわかる位可愛い男の子になっ
ていきました。肌が白くなって、筋肉が無くなって、胸元がふくよかになって、いつしか姉貴と最後にお風
呂にはいった時の彼女のそれみたいになっちゃった。
とにかく五年生の間は、我慢してそのまま学校に行ったけど、何故か女の子の友達が一杯増えちゃった。
同級生の男に苛められる様になったけど、どういう訳か女の子達がかばってくれた。
そして六年生からとうとう僕はアメリカにある特殊な学校へ行く事に。そこでは僕みたいな男の子がたく
さん居るって聞いた。
翌年の三月の終わり。まだ寒い出発の日、お姉ちゃんの借り物でなく、新しく買って貰った僕用の女の子
のショーツとジュニア用のブラを着けて、僕が選んだブラウスとスカート、そしてタイツ、赤い可愛い
シューズを履いて、空港で向かえの人に会ってしおらしくお辞儀する僕。戻ってくるのは四年後。帰ったら
僕は多分女子高校生一年になってるはず。
「アメリカン航空AA026 ロサンゼルス行きは、ただ今搭乗手続きを開始いたしました」
「戻ってきたら、妹だよね…」
飛行機の搭乗案内がロビーに流れる中、僕はそう言ってしっかりお姉ちゃんとハグしました。
おわり