その後も2人は一緒にショッピングを楽しみ、カフェで一息つくことにした。窓際の席に座りながら、優はふと問いかけた。
「凛さんって、どうして男装が好きになったんですか?」
「んー、そうだな……最初は、ただカッコいいスーツに憧れただけだったかな。でも、着てみたらなんかしっくりきちゃって。」
凛はカップを手に取りながら、続けた。
「それにね、男装してると自由になれる気がするんです。周りの期待とか性別に縛られないっていうか……。」
その言葉を聞いて、優はハッとした。同じように女装を楽しむ自分の気持ちと重なる部分があったからだ。
「わかる気がします。僕も女装してる時は、自分が自分らしくいられる気がするんです。」
「でしょ? だからね、小野寺さんのことを見た時、なんとなく仲間だって思ったんだよね。」
「仲間……」
優はその言葉に、心が温かくなるのを感じた。これまで自分の趣味を理解してくれる人に出会ったことがなかったからだ。