数ヶ月後、女装サロンの全国展開は無事に始まり、多くの都市に支店がオープンした。東京を皮切りに、大阪、名古屋、福岡と次々にサロンが広がり、オンラインサービスの提供も開始された。
「これで本当に女装サロンは一つの文化になるんだ。」悠斗はその成長に胸を張る一方で、心の中には美絵との不和を解決しなければならないという思いが強くなっていた。
「次はもっと大きなイベントを考えないと。これまでの積み重ねを確実にものにするためにも。」美絵は悠斗にプレッシャーをかけ続けた。彼女の表情には一切の妥協が見えなかったが、悠斗はその厳しさの中に隠された愛情を感じ取っていた。
そして、ついに一つの大きなイベントが発表された。それは「全国女装フェスティバル」という名の大規模イベントで、全国の女装サロンが一堂に会する場だった。
「これはまさに女装サロンが次の段階へ進むための鍵となるイベントよ。」美絵は自信を持って宣言した。その言葉に、悠斗も深く頷いた。