「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第9話~」

なんだよ強制執行って。オネエ言葉の一種か?

どんなにうざく絡まれてもカズちゃんの事は嫌いになれないから不思議だ。

1000億円企業の社長にも、美女にも変身してしまうカズちゃんは凄い人であることは間違いない。

「なあ、ラビリンスではどんな流れで女装するんだい?」

「あら、興味持ってくれたようね。まずは田無駅の近くのコール田無あたりで電話するの。そうしたらスタッフの人が案内してくれるから案内にしたがってサロンへ向かうだけ」

「いや、店に到着してからの流れが聞きたいな。どうなん?」

「まずはメイクさんとご挨拶を兼ねてお話しするの。ご希望があればその人にあった女性名を付けてくれるわ。ちなみにね、私は和子って名前をもらったわ」

「和男が和子って・・・何の捻りもないなあ・・・」

「酷いわね!どうしても『和』ってのは外したくないし、出来たら『子』って付けたいって希望を出したのよ!」

「なんだそりゃ。実質カズちゃんが自分で決めたんじゃねーかそれ。そのメイクさんの引きつった顔が目に浮かぶよ」

「んもーあたしのことをまたバカにして!ほら、そのレモンサワーイッキ飲みしなさい!強制執行~♪」

この調子でカズちゃんにはかなり飲まされた。めちゃめちゃ酔ってしまった。もし、この状態で女装したカズちゃんに出会っていたら・・・ラブホであんなことこんなことを強制執行してたかもしれない。

そう考えると酔いは一気に覚めてきた。