「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第31話~」

きっと俺が人気俳優並みのルックスを持ち合わせていたら。「偶然だな。俺も今そう思っていたんだよね」って流し目で言っていたと思う。電話だから流し目でも、どや顔でもあまり意味はないのだけど。

でも、そんなことは言えない。と言うかいきなり過ぎて心の準備が出来ていないよ。

ああ、考えてみればあの時もそうだったな。人気者で、雲の上にいるような、手の届かない存在だった天使が俺に告白してきたんだ。中3の時。

それに、このまま行けばずっと独身で孤独なおじいちゃんになる可能性もある。
しかも、中学の時に地元で人気ナンバーワンの美女の天使と結婚できるなら万々歳だ。
デメリットは何もない。独身生活は十二分に謳歌したし。これからは天使と楽しい人生を送っていくんだ。

「いいですよ。むしろお願い致します」

あの時もそうだったな。女子とはあまり話したことなくて、たまに話しかけられても敬語だった。何故だか女子とはタメグチで話せなかった。でも今は違う意味で敬語を使っている。
二度とないチャンスかもしれないし。