「俺の趣味・女装サロンへ遊びに行くこと ~第46話~」

「カズちゃん、ごめんな。最近はバタバタしてて女装してなかったよな。付き合い悪くて申し訳ない」

「ご両親へのご挨拶だとか、結婚式の準備とかで忙しそうだからね。仕方ないわよ。でも、落ち着いたらまた一緒にラビリンスに行きましょうね!強制執行!
ところで、お腹の中の赤ちゃんの名前は決めたの?」

天使と俺の意見は一致している。男の子なら和男、女の子なら和子。それをカズちゃんに伝えた。

「もう・・・あなたたちは・・・本当にお馬鹿ねえ。私の名前を使うのはやめなさい!」

綺麗に女装メイクを決めていたカズちゃんの目からは涙がこぼれ落ちている。

「おいおっさん!メイク落ちるぞ!泣くなよ!」

「うふふ、そうですよ。泣いたら綺麗なお顔が台無しですよ、和子さん」

カズちゃんが涙を流す様子を笑いながら俺と天使は眺めていた。なんかこういう何でもないような時間も幸せに感じる今日この頃。

こうして笑ったり泣いたり、怒ったり。こうしていられるのも、女装サロンのラビリンスでカズちゃんが綺麗に変身して、俺がナンパしたお陰なんだよね。