「女装への助走~オンナノコの秘密☆~」 第7話 ラビリンスで「あんず」デビュー!

今日は特にドキドキ感とワクワクした気持ちでラビリンスの扉を開けた。
初めてフル女装をする日、そして俺にも新しい名前が付く日なのだ。

いつもと同じく店員は優しい微笑みで接してくれる。
「今日は特別な日ですね!最高の1日になりますように」

たくさんの洋服がある部屋に案内され好きなものを選ぶように言われた。
俺はまずウイッグを選んだ。
コンプレックスの薄毛を隠すかの様に、青春時代に流行った肩下20㎝あたりのソバージュのものを選んだ。
上は清楚な白のブラウス、下は淡いピンクのプリーツスカートを選び試着する。

ああ、なんという幸せなのだろう…誰の目も気にすることなく大好きな女装が思い存分楽しめる。
大きな鏡に映し出されたその姿に俺は興奮した。
『意外に…似合うな…』

そうして俺の名前は『あんず』と命名された。
お分かりかも知れないが「安藤」という姓から取ったのである。

「あんずちゃん、ホンット綺麗よ!!」
店員の喜ぶ声につられるように、俺も答えた。
「ヤダ!そんな褒められたら照れるじゃないの!もぉ~」
俺の…いや、私のリアクションと連動するようにスカートが揺れて、優しく太ももをくすぐった。