17,慶次と兼続の事情シリーズ①『親友の秘密』
電車に揺られながら、慶次はリマの耳元に小声で尋ねる。
「俺、何も用意していないんだけど。ほら、すね毛とか……」
するとリマも、ささやき声で、
「大丈夫。ぜーんぶスタッフさんにお任せしちゃえば、何も問題ないよ。私も初めてラビリンスに行ったときは、体毛ボーボーだったからさー」
と、恥ずかしげも無く言ってのけた。
ふと、慶次は気が付いた。今のリマは、生足だ。すね毛が無いことは当たり前としても、肌がとてもきめ細かく綺麗なのだ。
「何かしてるのか、その足」
「うん。足だけじゃなくて脇も腕も全部脱毛したし、コラーゲンとか摂って美肌になるように、それなりに頑張ってるよ」
それが、リマにとっての当たり前だ。