大学卒業と同時に、僕は天空座の入団オーディションを受けることに決めた。フェスティバルで注目を浴びた経験や、ワークショップで得たスキルを武器に挑んだこのオーディションは、これまでのどんな舞台よりも緊張感があった。

オーディション当日、控え室には多くの応募者が集まっていた。その中には以前ワークショップで共に学んだ千夏の姿もあった。

「優花、久しぶりね。」

彼女はいつものように堂々とした態度で微笑んでいた。千夏もまた、プロの世界を目指して挑戦しているのだと感じ、僕の中に負けたくないという気持ちが芽生えた。