美絵の過去を知った悠斗は、彼女の思いを尊重しながらも、自分の信念を曲げないことを決意した。
「美絵さん、女装サロンは人を傷つける場所じゃなく、人を救う場所にしたいんです。」
その言葉に、美絵は何も言わなかったが、どこか考え込むような表情をしていた。
数日後、悠斗は「女装サロン初心者体験会」を再開する計画を立てた。今度は、美絵の意見も取り入れて、高級感と親しみやすさを両立させたイベントにするつもりだった。
イベント当日、美絵は悠斗の計画に賛同したのか、それとも興味本位なのか、そっと様子を見守っていた。そして参加者たちが笑顔で女装を楽しむ姿を見て、少しずつその頑なな態度が和らいでいくのを感じた。