女装サロンラビリンスでの生活が始まった。最初はぎこちなかった俺も、次第にドレスや化粧に慣れていった。ヒールでの歩き方を学び、女性らしい仕草を意識するうちに、自分が変わっていくのを感じた。
「翔太さん、素敵になりましたね。」
スタッフたちの言葉が心地よくなり、女装がただの義務ではなく、一つの楽しみになり始めていた。
一方で、美咲の指導はさらに厳しくなった。
「次はもっと派手なドレスを選びなさい。女装は目立ってなんぼよ。」
俺は鮮やかな赤のドレスに挑戦し、髪型もアップスタイルにしてみた。結果、鏡の中の自分がますます魅力的に見えた。
「これが俺…?」
自信が芽生え始めた瞬間だった。
第五章: ラビリンスの意味
ある日、ラビリンスのスタッフが俺に言った。
「翔太さん、女装サロンラビリンスは単なる女装の場ではありません。ここは、あなたが本当に求めているものを見つける場所なんです。」
「本当に求めているもの…?」
俺は自分自身に問いかけた。女装に磨きをかけることを義務として始めたが、それはただの入口に過ぎなかった。ラビリンスでの経験を通じて、俺は自分の内面を見つめ直すようになっていた。
そして、ある日、美咲がこう言った。
「翔太、女装サロンラビリンスで何か見つけた?」
「多分…自分をもっと自由にしていいってことかな。」
美咲は満足そうに頷いた。
「そう、それが私の狙いだったのよ。あんたはこれからもっと輝くわ。」
その言葉に、俺は素直に感謝の気持ちを抱いた。美咲の厳しさがあったからこそ、俺はここまで来られたのだ。
女装サロンラビリンスでの経験は、俺の人生を大きく変えた。日常の中での自信がつき、以前よりも柔軟に物事を考えられるようになった。
義理の姉、美咲にも感謝している。彼女の厳しさと愛情が、俺をここまで導いてくれたのだ。
「女装サロンラビリンスはただの場所じゃない。俺にとっての、新しい人生の出発点だったんだ。」