パフォーマンスが終わり、観客からの拍手が大きく響く中、涼は深く息をついて満足げに笑った。
「やったね、涼!本当に最高だった!」葵が駆け寄って言うと、奏も涼の手を取り、「涼がいたから成功したわ」と感謝の言葉を口にした。
だが、その場の興奮が落ち着いた後、葵が涼にそっと囁いた。
「涼、今日のパフォーマンスをして、僕は改めて気づいたんだ。君がいないと、僕は自分を完全に表現できない。それくらい君が大切なんだ。」
その言葉に涼は一瞬戸惑ったが、今度は奏が間に入るように口を開いた。
「涼、私も同じ気持ち。今回のパフォーマンスで、あなたが私の中でどれだけ大切な存在かを再確認したわ。」
再び、涼は二人の視線に挟まれる形となり、答えを求められる状況に追い込まれた。