ある日、サロンラビリンスに一人の女性が訪れた。黒のタイトなスーツに身を包み、鋭い目を持つ彼女は、東條麗香その人だった。
「初めまして、涼さん。あなたがサロンラビリンスの代表ですね。」麗香は微笑みながらも、どこか挑発的な視線を向けた。
「はい、そうです。今日はどのようなご用件で?」涼は冷静に対応しようとするが、その内心は穏やかではなかった。
「私たちがオープンするエレガンス・ステージ、あなたのサロンと違うアプローチで女装文化を発信しようと思っています。でも…私の目から見ると、ラビリンスはまだまだ洗練が足りないようね。」
涼はその言葉に反応したい気持ちを抑え、静かに答えた。「サロンラビリンスは、お客様一人ひとりと向き合う場所です。洗練よりも、心のつながりを大切にしています。」
「それも素敵な考え方。でも、時代はスピードとインパクトを求めているのよ。あなたたちがどこまでやれるか、興味があるわ。」麗香はそう言い残し、去っていった。