沙羅様の言葉を胸に、私は再び女装サロンラビリンスへと足を踏み入れた。迷宮の中には、まだ知られていない秘密が数多く存在していることを感じていた。今回案内されたのは、「影の間」と呼ばれる場所だった。
「ここでは、あなたがこれまで目を背けてきた自分自身と向き合っていただきます。」
案内してくれたのは、中性的な魅力を持つスタッフの一人だった。彼は静かに部屋の中央に立つ椅子を指し示し、私を促した。
「この椅子に座り、周囲の影に目を凝らしてください。女装サロンラビリンスでは、外見だけでなく内面も磨く必要があります。」
椅子に腰掛けると、周囲の壁に私自身の影が映し出された。それはただの影ではなく、これまでの私の行動や選択が具現化されたもののようだった。
「これは…」
影は動き始め、まるで意思を持つように私に問いかけてきた。
「本当にこれが自分のやりたいことなのか?」
「女装を通じて何を得たいのか?」
その問いかけは深く、私の心に刺さった。