「涼さん、次は『変身の部屋』へ進んでいただきます。」
スタッフから案内された次の部屋は、さらに特別な場所だった。ここでは、女装をさらに進化させ、自分の理想像を形にすることが目的だという。
「これまで学んできた女装のスキルを総動員してください。そして、ここで完成した自分を沙羅様にお見せするのです。」
私は緊張しながらも、持てる力を全て注ぎ込んだ。ドレスの選択、メイクの細部、仕草までも完璧を目指した。その結果、鏡の中に映る自分は、これまでとは全く違う存在になっていた。
「素晴らしいですね。これが女装サロンラビリンスの力です。」
スタッフの言葉に、私は初めて自分を誇りに思った。
沙羅様に完成した姿を見せた時、彼女は静かに微笑んだ。そして、こう言った。
「これであなたも迷宮を抜け出す準備ができたわ。でも、迷宮はいつでもあなたを待っている。必要なら戻ってきなさい。」
その言葉を胸に、私は新たな一歩を踏み出した。