案内されたのは「自由の部屋」と呼ばれる場所だった。その部屋はこれまで訪れたどの部屋とも違っていた。豪華な装飾もなければ、特別なテーマもない。ただ一つ、巨大なクローゼットが部屋の中央に鎮座しているだけだ。

「この部屋では、あなたが心から自由になれる姿を自分で作り出してください。すべての制約を取り払い、本当に望む自分を表現するのです。」

クローゼットを開けると、そこには無数のドレス、ウィッグ、靴、アクセサリーが並んでいた。女装サロンのすべてが詰まったような光景に圧倒されながらも、私は慎重にアイテムを選び始めた。

「これを纏うことで、本当に自由になれるのか?」

そう自問しながら、私は心の中に湧き上がる直感に従った。最終的に選んだのは、シンプルでありながらも優雅さを兼ね備えた白いドレスだった。

「素晴らしい選択です。」

スタッフの声に励まされながら、私は自分の姿を鏡で確認した。そこに映るのは、これまで以上に自信に満ちた自分だった。